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【読書】アジア経済の今を知りたいなら、この3冊から


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日本では長らくデフレ経済が続き、

「失われた20年」と呼ばれる時期を過ごしてきました。

 

 

その間にも、アジア諸国は力強く成長を続けています。

 

「アジア」と言ってもその範囲は広く、

文化も経済の発展度合いも様々です。

 

アジアの中でも、どの国がどのような政策や特徴で、

経済を発展させてきたのか。

 

 

今回は、アジア経済の今を知ることができる本を3冊まとめて紹介します!

 

 

気になったものから、ぜひ手を伸ばしてみて下さい。

 

 

 

アジア経済とは何かー躍進のダイナミズムと日本の活路 (後藤 健太/中央公論新社)

 

 

 

概要

21世紀に入ってからのアジア経済の新しいダイナミズム、

日本の発展のための課題と可能性を明らかにしようとする本です。

 

 

主に2つの側面に注目しています。

 

①地域を広範にまたぐ国際的な生産分業体制である、

グローバル・バリューチェーンの展開

②「発展途上国」として捉えられてきた、

中所得国の台頭によるアジア経済の多極化

 

 

①について、

他国の企業といかに効率的な生産ネットワークを築くことができるかが、

競争力の鍵になります。

 

 

②について、

(1)アジアの国々が豊かになってきたことでその国内市場が拡大し、

地場企業が台頭するようになった

 

(2)ものづくりのあり方が大きく変化したことを背景に、

こうしたアジアの企業が新しい比較優位の分野を築いたり、

イノベーションをリードしたりすることで、

バリューチェーンを主導するようになった

という点に要因があります。

 

 

 

以上をふまえ、日本が一方的にアジアを「選んでいた」時代から、

日本がパートナーとしてアジアから「選ばれる」必要がある時代になったことが

指摘されます。

 

 

新たな戦略軸を持たなくてはならない、重要な転換点にあるということです。

 
 
 

デジタル化する新興国ー先進国を超えるか、監視社会の到来か (伊藤 亜聖/中央公論新社)

 

 

 

概要

 

以下の2つの課題を検討する本です。

 

①今日の新興国で広がるデジタル化の進展を、

新興国・途上国論の系譜に位置づけながら、

その可能性と脆弱性の両面から検討する。

 

新興国デジタル化の潮流の中で、

日本に求められる取り組みを考える。

 

 

デジタル化は新興国の何をどう変えているか、

そして「デジタル新興国」があり得るとすれば、

それはどのようなものかを、様々な国や地域、産業の例を挙げながら説明しています。

 

 

そのうえで、デジタル技術による社会変革は、

新興国・途上国の可能性と脆弱性をそれぞれ増幅することを明らかにしました。

 

 

「デジタル新興国」が、現行の「先進国」と「新興国」の定義を

揺らがせることを主張しています。

 

 

 

現代アジア経済論ー「アジアの世紀」を学ぶ (遠藤 環・伊藤 亜聖・大泉 啓一郎・後藤 健太編/有斐閣)

 

 

 

概要

先に紹介した2冊は、単著(著者が1人)の新書ですが、「現代アジア経済論」は、

アジア経済を専門とする10人の研究者(コラムで+2人)が、

それぞれの章を書いています。

 

 

「アジア経済とは何か」の著者: 後藤 健太さん、

「デジタル化する新興国」の著者: 伊藤 亜聖さんが執筆と編集を担当していて、

専門性の高い執筆者が集まっています。

 

 

主に東アジア(日本、韓国、台湾、香港、中国、モンゴル、北朝鮮)と

東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムカンボジアラオスミャンマー東ティモールブルネイ)を対象としています。

 

 

自分が気になる国に関する章から、読んでみてもよいでしょう。

 

 

序章 「アジアの世紀」のアジア経済論 (編者)

 

 第Ⅰ部 アジア経済の新局面
第1章 変貌するアジア―アジア経済はどう論じられてきたか (編者)
第2章 アジア化するアジア―域内貿易と経済統合の進展 (大泉 啓一郎・後藤 健太)
第3章 中国が変えるアジア―改革開放と経済大国・中国の登場 (伊藤 亜聖)

 

 第Ⅱ部 越境するアジア
第4章 生産するアジア―グローバルな分業ネットワークと地場企業の発展 (川上 桃子・後藤 健太)
第5章 資本がめぐるアジア―成長と資本フロー (三重野 文晴)
第6章 移動するアジア―相互依存関係の深まりと加速するヒトの流れ (町北 朋洋)

 

 第Ⅲ部 躍動するアジア
第7章 革新するアジア―中所得国化と成長パターンの転換 (伊藤 亜聖)
第8章 都市化するアジア―メガリージョン化する都市 (遠藤 環・大泉 啓一郎)
第9章 インフォーマル化するアジア―アジア経済のもう1つのダイナミズム (遠藤 環・後藤 健太)

 

 第Ⅳ部 岐路に立つアジア
第10章 老いていくアジア―人口ボーナスから人口オーナスへ (大泉 啓一郎)
第11章 不平等化するアジア―貧困から格差へ (浦川 邦夫・遠藤 環)
第12章 環境問題に向きあうアジア―後発性と多様性のなかで (生方 史数)
第13章 分かちあうアジア―開発協力と相互依存 (佐藤 仁)

 

終章 競争するアジア、共生するアジア (編者)

 

 

 

合わせて読みたい

 

世界の技術発展や、日本のこれからについてもっと知りたい方には、

「シン・二ホン」がお勧めです!

 

シン・二ホン AI×データ時代における日本再生と人材育成 (安宅 和人/ニューズピックス)

 

 

knonononai.hatenablog.com

 

 

そもそも、資本主義経済とは?

 

経済の仕組みについて一度しっかり復習したい方には、

「お金ってなんだろう?」がお勧めです。

 

難解な表現がなく、肩の力を抜いて勉強できます。

 

 

お金ってなんだろう?(中学生の質問箱) (長岡 慎介/平凡社)

 

 

 

knonononai.hatenablog.com

 

 

まとめ

アジア経済の今が見えてくる本を、3冊紹介しました。

 

 

各国がどのような取り組みをしているのか、

日本はどこに向かうのか。

 

特に関心のある個所から、読んでみてはいかがでしょうか。