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【感想・レビュー】シン・ニホン 課題山積みの日本でも、前向きな気持ちにしてくれる1冊


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データ活用は、国全体でも会社や自治体でも、頻繁に耳にする話題です。

 

残念なことに、この分野では日本が大幅に出遅れている現状も、問題となっています。

 

少子高齢化は間違いなく進んでいて、働き手が減るのに、データ活用も上手くいってないんじゃ、お先真っ暗...??

 

  • そもそも、実生活でのデータ活用のイメージが湧かない
  • 日本に課題が多いことは知っていても、具体的に何が問題なのか分からない
  • 少子高齢化が進む日本の未来が、暗いものとしか思えなくて悲しい

 

そんな方にお勧めなのが、読者が選ぶビジネス書グランプリ2021 総合グランプリ受賞の「シン・二ホン」です。

 

課題だらけの日本の現状をデータで説明するだけでなく、明るい未来への提言まで含まれた、前向きな気持ちにしてくれる1冊です!

 

 

この記事では、「シン・二ホン」の概要と感想をご紹介します。気になった方は、ぜひ読んでみてくださいね。

 

 

 

 

「シン・ニホン」の概要

 

シン・二ホン AI×データ時代における日本再生と人材育成 (安宅 和人/ニューズピックス)
 

 

 

著者は慶応義塾大学教授、ヤフー株式会社CSO、データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長の安宅和人さんです。

 

何やらすごい経歴ということが伝わってきますね...!

 

 

「シン・二ホン」は「シン・ゴジラ」からインスピレーションを受けたタイトルで、内容自体は副題の「AI×データ時代における日本の再生と人材育成」が表しています。

 

本書では、日本の課題を浮き彫りにしてボロボロにダメ出しするというより、

 

  • どの分野で日本が大幅に遅れているかを、各国と比較する
  • 日本が大きく成長した時、どのような要件が揃っていたのか、歴史から振り返る
  • これからどのような人材が必要か、提言する
  • そのような人材をどう育てるか、検討する
  • 人材を育てるために、国のお金が出ていく先の配分を見直す
  • 未来の世代に残したい将来とは、どんな世界かを描く

 

というように、きわめて建設的です。

 

 

感想

400ページを超えるビジネス書で、数字とかデータが不得意な自覚がある私には、ハードルが高いかも...と思っていました。

 

いざ開いてみると、難解な表現やアカデミック界隈の専門用語が頻出することはなく、非常に分かりやすい言葉と流れで、3日ほどで一気に読めました。

 

 

課題を挙げ連ねて、暗い気持ちにさせたいのではない。

 

むしろ「適切な方法をとれば、日本はまだ追いつける!」ということを、歴史的な事例もふまえて、明るく力強く主張していることが、最も印象的でした。

 

様々な分野で課題があることが分かったのに、読後感は爽やかなくらいです。

 

 

この国は妄想では負けない (P.130)

アメリカ、フランス、イギリス、ドイツといった先進国と比較したとき、

農林水産、鉱業、石油・石炭、情報・通信などあらゆる産業で、

日本の生産性が著しく低いことを突き付けられた後に「この国は妄想では負けない」。

 

確かに、と思うところがあって面白くも勇気づけられました。

 

 

攻殻機動隊鉄腕アトムドラえもんを例として挙げられていましたが、

他にも幼少期からあらゆるアニメや漫画に親しんで育つことは、

妄想力の英才教育を受けていること。

 

日本にこんな強みがあったんだなあ...それをデータやAI活用と組み合わせたら、他国には真似できないオリジナリティあふれるものが生まれそうですよね。

 

 

若い人に投資する国へ変わろう(P.312)

上がらないお給料に、上がり続ける物価。悪化する少子高齢化で、自分の将来の生活に漠然と不安を感じている若い層が多いのではないでしょうか。

 

今は何とか生活できているけど、自分が子供を持って育てるだけの経済的余裕があるのかな?とか、

自分が定年退職した後、ちゃんと年金はもらえるのだろうか...とか。

 

20代後半の私も漏れなく、このようなぼんやりした不安はあります。

 

 

なので、「若い人に投資する国へ変わろう」と言い切ってもらえるだけでも、救いに感じました。

 

今は国のお金の多くが、シニアと過去に使われています。若い人に投資するというと、年齢が高い層から反発の声が聞こえてきそうですよね。

 

本書では、限りあるお金の配分をほんの少し変えるだけで、日本の未来が良い方向に大きく変わる可能性を、データに基づいて解説しています。

 

安宅さんの案に改善点はあるのでしょうけれど、とりあえず試してみてほしい!という気持ちになります。

 

 

ビジョンから未来をつくるー「風の谷」という希望 (P.389)

本書で取り上げた多くの課題、そしてその改善案をまとめると、どのような未来が描けるのか。

 

こうしていこうよ!というメッセージが、抽象的なものでなく、具体的かつ既に形になって動いているプロジェクトで示されます。

 

どの地域で、どんな課題があるから、どういった取り組みを行ったのか。

 

それを一部の地域に留めず広めていくには、どういった構想で進めるか。

 

あーだこーだ言う前に、「こんなことやってます」と説明できるのは、安宅さんの格好良さだと思いました。

 

 

繰り返しの感想になりますが、明るく爽やかに締めてくれる本書は、読んでいて勇気づけられる1冊です。

 

 

まとめ

日本の課題を正しく理解し、ではどう対処すればよいのか、という提案まで含まれた「シン・二ホン」をご紹介しました。

 

これからの日本に、今より希望を見出すことにつながります。

 

日本で生きていくことに漠然とした不安を持っている方は、ぜひ手に取ってみてください!

 

 

「シン・二ホン」はKindle版でも読むことができます。

 

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安宅和人さんのもう1冊の名著。

 

 

 

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