沖縄が今、直面している状況、それに対する憤り、女性たちに降りかかる困難を
丁寧なインタビューから描き出すエッセイです。
と、数々の賞を受賞しています。
沖縄の基地問題に関心がある方も、観光地としての沖縄が好きな方も
一度読んでほしい本です。
著者は沖縄生まれ、琉球大学教育学研究科教授の上間陽子さんです。
上間さんは普天間基地の近くに住み、沖縄で子育てをしつつ、
生きづらさを抱えた女性の声に耳を傾けてきました。
そんな彼女だからこそ記すことができた内容で、1人の娘を持つ母親目線から、
今の沖縄を考えることができます。
海をあげる (上間 陽子/筑摩書房)
感想
知人の勧めで、読んでみました。
何となく沖縄を題材にした作品だ、ということしか知らず、
気合を入れて読まなければならない、重厚な内容かと思っていました。
実際に開いてみると12編からなる構成で、1編ずつは長くなく、
胸が痛くなる事実がありながらも、形式としてはサラサラと読めます。
合わせて読みたい
「海をあげる」に共感する方は、「持続可能な魂の利用」もお勧めします!
「海をあげる」はノンフィクションのエッセイですが、
「持続可能な魂の利用」は既視感がすごいのに、
「おじさんから少女が見えなくなる」という面白い設定で、引き込まれる小説です。
持続可能な魂の利用 (松田 青子/中央公論新社)
まとめ
沖縄の課題を扱ったエッセイ、「海をあげる」をご紹介しました。
なかなか根深いテーマですが、文章自体は読みやすく、
暖かみの中に鋭い問いかけが表れます。
気になった方は、手に取ってみてくださいね。
「海をあげる」はKindle版でも読むことができます。
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