大学生なら卒論やレポートを執筆する時に、
社会人なら仕事で調べた内容を整理したい、
または新しい事業のアイディアを膨らませたい時に、
考えをまとめることって結構難しいですよね。
インプット/アウトプットのどちらかに偏りすぎず、
インプットしたものをどのように系統だてて役立つ形にアウトプットしていくか。
ロングセラーの2冊「思考の整理学」と「メモの魔力」から考えます。
思考の整理学 (外山 滋比古/ちくま文庫)
「東大・京大で1番読まれた本」「250万部突破」という紹介文に興味が沸き、
読んでみました。
まず驚いたことは、本書のオリジナルが1983年に刊行されていたことです。
40年近く経っていれば当然、
文書管理ソフトや文献をまとめられるサービスは大きく進展していますが、
現在でも大いに活用できる内容です。
ただ、各節のタイトルの中には「カクテル」「ことわざの世界」など
内容を想像しにくいものもあります。
最近の自己啓発本のようにはっきり言いきったタイトルで、
重要箇所を節の最後でまとめているような形式に慣れている方は、
少々読みにくいと感じるかもしれません。
本書は特に、これからレポートや卒論を執筆する大学生に
もってこいの内容だと思います。
簡単にポイントをまとめてみました。
- 資料やアイディアはある程度集まったら、いったん寝かせる。一度そのテーマから離れることで思考が整理され、よいアイディアが浮かぶことがあるから。
- 集まった情報を整理、抽象化する。そうすることによって、思考がより高度なものになり、普遍性が大きくなる。例えば新聞の切抜きをカード状にして、そのカードに見出しを付けてファイルするというように。
- 材料はあるのに、それをどうまとめたらよいか分からないときは、とにかく書きだしてみる。書き進めるほど頭がすっきりする。
- 自分とは異なる分野の人と意見を交換する。専門が同じ人とばかり話し合うと、新しいアイディアが生まれにくい。
より詳しく知りたい方は、
ぜひ本書を手にとってみてください!
メモの魔力 (前田 裕二/幻冬舎)
本書は「2019年上半期ベストセラー ビジネス書部門」で1位を獲得しています。
仕事に生かそうと、多くの方が購入したのでしょう。
私は本書を読むまで
「仕事を効率的に進められるメモの取り方の本?タスク管理みたいな?」
と考えていました。
しかし本書はそういった内容ではありません。
日常生活で気になったことをとにかくメモする著者が、
メモした内容をどう理解し役立てるかを説明しています。
本書は「思考の整理学」の
「集めた情報を抽象化する」という箇所にフォーカスを当て、
掘り下げた内容に近いという印象を受けました。
「事実を抽象化して転用する」という主旨が繰り返されており、
そこが本書のポイントのようです。
ざっくり要約すると
「汎用性を持たせられるレベルで事実を理解し、
自己をより深く知ることで自分の人生の軸を持て!」
といった内容です。
集めた情報を活用する方法を知りたい方はもちろん、
自己分析にじっくり取り組みたい方にもお勧めの1冊です。
まとめ
集めた情報を整理し、
それをどうまとめるか悩んでいる方に読んでほしい2冊をご紹介しました。
勉強やビジネスの役に立てば嬉しいです。
※愛用しているオススメのしおり