今の仕事はどう選びましたか? 転職するなら、次の仕事は何を基準に選びますか?
今の仕事に何の不満もなく働いている方は幸せですが、そうもいかないのが社会人なのではないでしょうか。
- 転職したいけど、次の職をどうやって決めればいいか分からない
- 幸せな私生活をおくれる、仕事のポイントが知りたい
- 今の職場に多少の不満があるけど、転職すべきか残るべきか迷っている
そんな方にお勧めなのが、「科学的な適職」です。4021もの研究データから見えてきた、仕事選びに欠かせない要素を教えてくれます。
この記事では、「科学的な適職」の概要と感想をご紹介します。気になった方は、ぜひ読んでみてくださいね。
「科学的な適職」の概要
著者はこれまで10万本もの科学論文を読み、ヘルスケアや生産性向上といったテーマで執筆しているライターの鈴木祐さんです。
本書の参考文献を見ても、そのほとんどが英語論文です。
私のような一般人が一生懸命調べても、辿り着かないし読み切れない膨大なデータが、1冊にまとまっていてありがたいです。
冒頭から「なぜ私たちはキャリア選びに失敗するのか」という問題提起がなされ、私たちがいかに仕事選びに誤っているのか、説明されます。
ちょっと不安になってきますね...。
本書では、「適職」の定義を「あなたの幸福が最大化される仕事」としています。
- 簡単な仕事でも
- 給料がよくても
- 好きな仕事でも
- 適性テストで選んでも
幸せに働けるとは限らないんですよね。
私たちの思い込みをステップごとに減らしつつ、より幸福になれる仕事選びのポイントを教えてくれます。
具体的なステップは次の通りです。
ステップ1 幻想から覚める(Access the truth)
ステップ2 未来を広げる(Widen your future)
ステップ3 悪を取り除く(Avoid evil)
ステップ4 歪みに気づく(Keep human bias out)
ステップ5 やりがいを再構築する(Engage in you work)
頭文字をとるとAWAKE(目覚め)です。
後半になるにつれ、時間が必要なワークが出てきます。本腰を入れて転職を考えている方は、ぜひ取り組んでみてください。
前半は私たちの思い込みに焦点が当てられ、思い込みを覆す研究データが提示されるので、この箇所だけでも読んで見ると面白いですよ。
感想
ステップに分けて適職探しの方法を説明してくれるので、順を追って試すことができます。
特に気になった箇所と、お勧めしたい理由を紹介します。
適性テストの話
私も就活の時、何種類かの適性テストを受けましたが、本書によるとあまり意味がないそうで、ちょっとがっかりしました。
じゃあ、なんであんなに受ける機会があるんでしょうね。採用する側も、少しでも安心材料が欲しいということでしょうか。
仕事の自由度が幸福度を左右する
実際に一会社員として共感したのは、「職場の自由度が高くなるほど、幸せに働ける」という内容です。
多少大変でも、自分の業務が自分の思うように進められているとき、ストレスを感じることが少ないです。
逆に、予期せぬ仕事を突然振られたり、上司から自分の仕事を細かく管理されると、やりづらいと思うことがあります。
同じような考えの方、いらっしゃるのではないでしょうか。
今の職場に留まるか、転職するか
転職で悩んでいる方は、次の2段階のどちらかですよね。
1つ目は「転職するか否か」
2つ目は「転職する会社をどうやって絞るか」
本書は、2つ目の選択方法だけを提示するのではなく、1つ目の段階から
「こういう状況なら転職、
こういう状況なら今の職場のままで改善に力を注いだ方がよい」
という検討の手順を示しています。
単に転職を勧めるのではなく、今いる職場で頑張った方がいい場合を隠さず伝えてくれる点は、好感度が高いです。
まとめ
仕事選びに迷っている方に読んでほしい、「科学的な適職」をご紹介しました。
就活している方、転職を考えている方には、役に立つ情報が沢山詰まっています。
すぐには転職する予定がない方でも、私たちが持っている「思い込み」を自覚するために、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
「科学的な適職」はKindle版でも読むことができます。
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